地震負傷者の30~50%は家具類の転倒・落下・移動
近年の地震による負傷者の30~50%は、家具類の転倒・落下・移動が原因です。部屋に物を置かないことが最大の防御。次に下敷きにならないように家具類を配置する。その上で器具による家具類の転倒・落下・移動防止対策を行えば、ケガのリスクを低くすることができます。
避難経路確保のレイアウト
ドアや避難経路をふさがないように、家具配置のレイアウトを工夫しましょう。部屋の出入り口や廊下には家具類を置かないように、据え付けの戸棚に収納。さらに引き出しの飛び出しに注意し、置く方向を考えます。
転倒・落下・移動防止器具
転倒・落下・移動防止対策はネジ止めが基本
家具類のレイアウトを工夫したら、器具による家具類の転倒・落下・移動防止対策を行います。最も確実な方法は、壁にL型金具でネジ止めすることです。ネジ止めが難しい場合は、突っ張り棒とストッパー式、突っ張り棒と粘着マットを組み合わせると効果が高くなります。
L型金具(下向き取り付け)
家具と壁を木ネジ、ボルトで固定。スライド式、上向き、下向き取り付け式があり、下向き取り付けが最も強度が高い。
ポール式器具(突っ張り棒)
ネジ止めすることなく、家具と天井の隙間に設置する。粘着マットやストッパーとの組み合わせで強度が高くなる。
着脱式移動防止ベルト
壁とキャスター付き家具をつなげ、移動を防止する。
耐震化
圧死を防ぐ耐震化の重要性
阪神・淡路大震災の死者の約8割が建物倒壊による圧死です。 1981年 5 月 31日の建築基準法施行令改正以前に建築された建物は大地震への安全性が低いと言われています。耐震化チェックのために、耐震診断を受けましょう。
耐震化チェック
・1981年5月 31日以前に建てた家である。
・増築を2回以上している。増築時に壁や柱の一部を撤去している。
・過去に床上・床下浸水、火災、地震などの大きな災害にあったことがある。
・埋立地、低湿地、造成地に建っている。
・建物の基礎が鉄筋コンクリート以外である。
・一面が窓になっている壁がある。
・和瓦、洋瓦などの比較的重い屋根葺材で、1階に壁が少ない。
・建物の平面がL字型やT型で、凸凹の多い造りである。
・大きな吹き抜けがある。
・建具の立て付けの悪さ、柱や床の傾きなどを感じる。
・壁にひびが入っている。
・ベランダやバルコニーが破損している。