【自治体】防災センターと防災ガイドブック

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ポータブル電源

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総合的な防災体制の確立

 災害対策基本法を始めとする日本の災害対策法制では、予防、応急、復旧・復興という災害のあらゆる局面に応じ、国や地方公共団体等の権限と責任が明確化されており、官民の関係主体が連携して対策を講じることとしています。
 災害対策基本法は、その制定後も、大規模災害を踏まえ絶えず見直しを行っており、近年では、東日本大震災の教訓を踏まえ、平成24年には地方公共団体間の応援に関する措置の拡充等を、平成25年には住民の円滑・安全な避難の確保、被災者保護対策の改善等を措置しました。加えて、平成26年には、緊急車両の通行ルートを迅速に確保するため、放置車両対策の強化を措置しました。令和3年には、災害時における円滑かつ迅速な避難の確保及び災害対策の実施体制の強化を図るため、避難情報の見直し、個別避難計画の作成の法定化及び広域避難に係る協議規定の整備とともに、これまで国の災害対策本部を設置するに至らなかった規模の災害についても災害対策本部の設置を可能とする等の措置を
講じられています。

災害対策基本法の概要

防災に関する理念・責務の明確化

○災害対策の基本理念 -「減災」の考え方等、災害対策の基本理念の明確化
○国、都道府県、市町村、指定公共機関等の責務 -防災に関する計画の作成・実施、相互協力等
○住民等の責務 -自らの災害への備え、生活必需品の備蓄、自発的な防災活動への参加等

防災に関する組織 -総合的防災行政の整備・推進-

○国:中央防災会議、災害対策本部(特定、非常、緊急)
○都道府県・市町村:地方防災会議、災害対策本部

防災計画 -計画的防災対策の整備・推進-

○中央防災会議:防災基本計画
○指定行政機関・指定公共機関:防災業務計画
○都道府県・市町村:地域防災計画
○市町村の居住者等:地区防災計画

災害対策の推進

○災害予防(防災訓練の実施、資材の備蓄等)について
○災害応急対策(被害情報の収束、避難指示、広域避難の協議、応援の要請等)について
○災害復旧について各実施責任主体が実施すべき基本的方針を規定

被災者保護対策

○要支援者名簿・個別避難計画の事前作成
○災害時における、避難所、避難施設に係る基準の明確化
○罹災証明書、被災者台帳の作成を通した被災者支援策の拡充
○広域一時滞在・物資輸送の枠組の法定化

財政金融措置

○法の実施に係る費用は実施責任者負担、激甚な災害に関する、国による財政上の措置(激甚災害法による災害の指定、 国民負担のかさ上げ等の根拠を規定)

災害緊急事態

○災害緊急事態の布告⇒政府の方針(対処基本方針)の閣議決定
○緊急措置(生活必需物資の配給等の制限、金銭債務の支払猶予、海外からの支援受入れに係る緊急政令の制定、特定非常災害法の自動発動)

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防災グッズ

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防災計画

防災基本計画

防災基本計画は、防災業務計画や地域防災計画の基になる防災対策の総合的・長期的計画であり、防災体制の確立、防災事業の促進、災害復旧の迅速適切化、防災に関する科学技術の研究の推進等を定めています。本計画は、昭和38年に策定されてから、災害対策基本法に基づき、毎年修正の検討を行い、必要があると認められるときは修正することとしています。
平成7年には、阪神・淡路大震災の経験を踏まえ修正を行い、国、地方公共団体、公共機関等が行う施策について、それぞれの責務を明確に定めるとともに、災害の種類別に、予防、応急、復旧・復興の各段階に沿って、講ずべき対策を記述しました。また、東日本大震災の教訓を踏まえ、平成23年12月に津波災害対策編を新設したほか、近年においても、災害対応の教訓や施策の進展、新型コロナウイルス感染症への対応等を踏まえた修正を行っています。

地区防災計画

市町村内の地区居住者等(地区内の居住者及び事業者)による、自助・共助の精神に基づく自発的な防災活動を促進し、ボトムアップ型で地域における防災力を高めるため、コミュニティレベルでの防災活動を内容とする地区防災計画を市町村地域防災計画に定めることができることとしています。
 また、地区防災計画を作成するに当たっては、地区居住者等がより主体的に、計画策定段階から積極的に参加することが求められることから、地区居住者等は、共同して、市町村防災会議に対し、市町村地域防災計画に地区防災計画を定めることを提案(計画提案)することができることとしています。
 これまで、市町村地域防災計画に反映された計画は30都道府県、73市区町村、901地区(令和2年4月1日時点)となりました。

災害発生時の対応

災害応急対策の概要

 災害発生時には、救助・救急、医療等多岐にわたる応急活動を効果的に実施するため、国や地方公共団体は、災害・被害情報の収集・連絡及び通信の確保を迅速に行います。これらの情報を基に、被災地の市町村や都道府県では、災害対策本部を設置するなど、応急活動体制を確立します。 国においては、
内閣情報集約センターにおいて24時間体制で災害情報の収集を行うとともに、大規模な災害が発生した時には、関係省庁の局長級からなる緊急参集チームが総理官邸内の危機管理センターに参集し、災害状況を把握・分析した上で、 内閣総理大臣に報告し、必要に応じ関係閣僚会議や関係省庁災害対策会議を開催します。また、被害状況に応じ、非常災害対策本部(本部長は防災担当大臣)や緊急災害対策本部(本部長は内閣総理大臣)を設置し、災害応急対策方針の決定、各機関が実施する災害応急対策の総合調整などを行います。さらに、被災地の状況を把握するため防災担当大臣等を団長とする政府調査団を派遣したり、災害応急対策の総合調整を現地において機動的かつ迅速に処理する必要がある場合には、 国の現地対策本部を設置することもあります。

広域応援体制と国による物資支援

地方公共団体の対応能力を超える大規模な災害の場合、警察庁(警察災害派遣隊)、消防庁(緊急消防援助隊)、海上保安庁、国土交通省(TEC-FORCE)、さらには都道府県知事等の要請に基づく自衛隊の災害派遣により、広域的な応援が実施されるほか、DMAT(災害派遣医療チーム)なども派遣し、重
傷患者を自衛隊機により被災地外の病院へ搬送し救命する広域医療搬送も実施されます。
 また、国による物資支援として、被災した地方公共団体からの具体的な要請を待たずに、被災者の命と生活環境に不可欠な必需品を国が調達し、プッシュ型支援にて被災地に緊急輸送します。

災害発生時の国及び地方公共団体の連携システム

 災害が発生した場合、住民に最も身近な行政主体として市町村が災害応急対策に当たり、都道府県は広域にわたり総合的な対応を必要とする事案の対処に当たります。また、被災地方公共団体の対応能力を超えるような大規模災害の場合には、国による応援や地方公共団体間の相互応援を行います。 国においては、緊急災害対策本部又は非常災害対策本部を設置し、関係省庁や被災地方公共団体から被害情報等の収集を迅速に行うとともに、被害状況等に応じて救助・救急活動、 医療活動、支援物資の調達・輸送などの災害応急対策の総合調整等を行います。また、必要に応じ被災地に現地対策本部を設置することにより、被災地方公共団体との連絡調整、被災地の情報及び支援要望の収集等を行い、被災者のニーズを踏まえた災害応急対策を的確かつ迅速に行います。
 現地対策本部は、平成23年東日本大震災、平成26年豪雪、平成26年8月豪雨、平成26年御嶽山噴火の発生時などにおいて被災地に設置されました。被災地方公共団体の災害対策本部との合同会議等により、国と地方公共団体が共通認識の下、 連携するとともに、被災地方公共団体の要望等に対する政府の身近なワンストップ窓口として機能するなど、その役割は重要性を増しています。

防災意識の啓発と防災知識の普及、9月1日「防災の日」

災害被害を軽減する取組の推進

社会全体の防災力を向上させ、災害による被害を軽減するためには、個人や家庭、地域、企業、関係団体等社会の様々な主体が連携し、総力を挙げて災害被害を軽減する国民運動の展開を図る必要があります。 そのような中で、政府は、毎年9月1日を「防災の日」とし、この日を含む1週間を防災週間として、防災意識を高めるための行事を実施しています。これに合わせ、日本各地で、防災訓練や「防災フェア」等の行事が開催されています。
また、平成23年に津波対策の推進に関する法律が制定され、11月5日が「津波防災の日」と定められ、平成27年の第70回国連総会において、11月5日を「世界津波の日」とすることが定められました。

防災教育

 一人ひとりが自然災害を正しく理解し、自らの的確な判断の下で防災・減災行動をとれるようにするためには、防災教育が重要です。東日本大震災では、過去の災害教訓に基づく防災教育や避難訓練により、適切な避難行動を取ることができた小学校の事例があるなど、その効果が改めて確認されました。今後も、学校や地域における防災教育を一層充実させ、正しい防災意識をかん養していくことが重要です。
 内閣府防災では、防災教育の推進に高い意欲をもつ団体・学校・個人等に対してより充実した防災教育のプランを募集し、その中で優良な事例を選出し、その実践への支援を行うとともに、取組成果などを取りまとめ、ホームページに公開し、広く学校などの利用に供する「防災教育チャレンジプラン」を実施しています。加えて、広く一般から防災に関するポスターデザインを公募することを通じ、防災
意識の一層の高揚を図り、災害被害を軽減させることを目的とした「防災ポスターコンクール」(内閣府、防災推進協議会)も実施しています。
 また、文部科学省においては、平成29・30年告示の新学習指導要領において、例えば、小学校社会第4学年では、過去に発生した地域の自然災害を取り上げ、地域で起こり得る災害を想定し、日頃からの必要な備えや、自分たちができることを考えるなど、防災に関する内容を充実しています。また、学校における防災管理等の在り方を示した「学校防災マニュアル(地震・津波)作成の手引き」や学校安全資料「「生きる力」をはぐくむ学校での安全教育」を作成し、防災教育の充実を図っています。
 さらに、地域の防災力を高めて災害被害の軽減を図ることを目的として、消防庁では、地域住民、消防職員・消防団員、地方公務員等に、インターネット上で防災・危機管理に関する学びの場を提供する
「防災・危機管理e-カレッジ」の運用や小中学生などが防災に関する知識や実践的な技術を身につけることができるよう、指導者用防災教材「チャレンジ! 防災48」を作成するなど、各地域や学校ごと
に自立的に防災教育に取り組む環境づくりを行っています。

災害教訓の継承

東日本大震災では、過去の津波災害後に「ここより下に家を建てるな」という石碑が建てられ、地域住民がその教えを守って石碑より高いところに自宅を建てていたために津波の被害に遭わずに済んだという事例がありました。こうした教訓を踏まえ、災害対策基本法が改正され、住民の責務として災害教訓の伝承が明記されました。
 また、兵庫県神戸市では、阪神・淡路大震災後に「人と防災未来センター」が設立され、映像や模型での大震災の再現や、大震災からの教訓を語り継ぐ活動を行っています。

地震・津波対策

日本は、地球全体を覆う十数枚のプレートのうちの4枚のプレートがひしめく場所に位置しているため、プレート境界やその周辺で発生する地震による被害を受けやすい地理的条件にあります。これまでも、東日本大震災のようなプレートの沈み込みにより発生するプレート境界型の巨大地震や、プレートの運動に起因する内陸域の地殻内地震(平成7年の阪神・淡路大震災等)に より甚大な被害を受けてきました。

観測体制

地震活動を常時監視するため、気象庁等の関係機関により、全国各地に、震源の位置や地震の規模の推定、津波警報等に活用する地震計や、各地の揺れの強さを測定する震度計が設置されています。これらのデータは気象庁に集約され、日本やその周辺で地震が発生すると、震源に近い地震計でとらえた地震波を解析し、最大震度5弱以上が予測される場合には、可能な限り迅速に緊急地震速報の「警報」がテレビ、ラジオ、携帯電話やスマートフォン等を通して伝えられます。その他、地震の震源やマグニチュード、各地の震度について、随時発表をしていきます。

津波対策、11月5日「世界津波の日」

 日本は、四方を海に囲まれ、海岸線は長く複雑なため、津波被害を受けやすく、過去にも、大きな津波被害が発生しています。津波を引き起こす可能性のある地震が日本近海で発生した場合には、気象
庁により、地震発生後約3分を目標に大津波警報・津波警報・津波注意報が発表され、続いて予測される高さ、到達時刻が発表されます。これらの情報は、直ちに防災関係機関や報道機関に提供され、さらに住民や船舶に伝達されます。
 また、津波対策として、海岸堤防(防潮堤)や防潮水門等の整備が進められています。
 こうした中、平成23年3月に発生した東日本大震災では、これまでの想定を遥かに超える地震・津波により、22,200人を超える命が奪われました。
 この災害を受け、津波の観測体制の強化、津波に関する教育及び訓練の実施、津波対策のために必要な施設の整備その他の津波対策に関する事項を定めた「津波対策の推進に関する法律」、さらに津波により浸水が想定される区域において、津波防災地域づくりを総合的に推進するための計画の作成や開発行為の制限等に関する事項を定めた「津波防災地域づくりに関する法律」が策定されました。
 また、2015年の国連総会において、11月5日を「世界津波の日」とすることが定められたことを受け、濱口梧陵国際賞が創設されました。同賞では、津波等に対する防災・減災に関する研究、地域における取組等において、顕著な功績があった個人・団体を表彰し、国内外で沿岸防災技術に係る啓発及び促進が図られています。
 また、災害対策基本法においても、津波等の災害からの緊急的な避難場所を指定することを新たに規定するなどの所要の改正が行われ、それぞれの法律等に基づき、総合的な津波対策が進められています。

南海トラフ地震対策

 南海トラフ沿いの地域においては、地震調査研究推進本部地震調査委員会の長期評価によると、マグニチュード8~9クラスの地震が今後30年以内に発生する確率は70~80%(令和3年1月13日現在)とされており、大規模地震発生の切迫性が指摘されています。 
 被害想定では、死者は最大で約32.3万人、このうち津波による死者が約23万人にもおよび、資産等の被害は約170兆円、生産・サービス低下の影響は約45兆円と想定されていますが、事前に対策を講じること等により、大幅に被害を減じることができると想定されています。
 このような中、南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の下、南海トラフ地震に係る地震防災対策を推進すべき地域等の指定を行うとともに、南海トラフ地震防災対策推進基本計画を作成しています。これを基に、南海トラフ沿いの地域では、東日本大震災を教訓に最大クラスの巨大な地震・津波を想定し、突発地震に備えた事前対策から事後対応、復旧・復興まで、地震対策の取組を総合的に進めています。
 また、中央防災会議の下に設置されたワーキンググループにおける検討において、現在の科学的知見からは確度の高い地震の予測は難しいものの、観測網の充実により地震に関する様々な異常な現象を捉えることは可能とされました。そのため、大規模地震発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと評価された場合、後発地震に対して1週間警戒する措置をとる等、防災対応の方向性についてもとりまとめられています。
 内閣府では、ワーキンググループの検討結果を踏まえ、平成31年3月に地方公共団体や企業等が防災対応の検討を行う上で参考となるよう「南海トラフ地震の多様な発生形態に備えた防災対応検討ガイドライン」を公表しました。また、令和元年5月の中央防災会議において、南海トラフ地震防災対策推進基本計画が変更され、南海トラフ沿いの異常な現象への防災対応等が盛り込まれました。

首都直下地震対策

 首都地域においては、関東大地震のようなM8クラスの海溝型巨大地震が200~400年間隔で発生すると考えられています。 また、M8クラスの地震が発生する前にM7クラスの「首都直下地震」が数回発生すると予想されており、その切迫性が指摘されて います。
 首都直下地震モデル検討会において、都区部直下の地震(M7クラス)及び相模トラフ沿いの大規模地震(M8クラス)の地震動、津波高等の推計を行い、これに基づき、平成25年12月、 首都直下地震対策検討ワーキンググループにおいて、被害想定と対策の方向性を内容とする最終報告書が取りまとめられました。
 報告書では、M7クラスの19パターンの地震のうち、被害が大きく首都中枢機能への影響が大きいと考えられる都心南部直下地震(M7.3を想定)が発生した場合、最大で、死者約2.3万人、要救助者約7.2万人、全壊・焼失家屋約61万棟にもおよび、資産等の被害は約47兆円、生産・サービス低下の影響は約48兆円と想定されています。

日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策

 日本海溝及び千島海溝沿いの領域では、プレート境界での地震、地殻内や沈み込みプレート内での地震等、マグニチュード7から8を越える巨大地震や、地震の揺れに比べ大きな津波を発生させる津波地震
と呼ばれる地震まで、多種多様な地震が発生しており、幾度となく大きな被害を及ぼしてきました。
日本海溝・千島海溝沿いの海溝型地震に対する防災対策については「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画」等に基づき政府全体で重点的に進めてきましたが、中央防災会議では、平
成23年3月に発生した東日本大震災の教訓を踏まえ、「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波」を想定することとしました。
そのため、平成27年2月に理学・工学等の研究者から構成される「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震モデル検討会」を内閣府に設置し、過去に発生した津波の痕跡などを幅広く整理及び分析するなどし
て、科学的知見に基づき考えられうる最大クラスの地震・津波断層モデルの設定や、想定される震度の分布、沿岸での津波の高さの推計等の検討を進めてきました。
これらの最大クラスの地震・津波断層モデルの検討結果を踏まえ被害想定及び被害を軽減するための防災対策等の検討を行うため、令和2年4月に中央防災会議防災対策実行会議の下に「日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震対策検討ワーキンググループ」を設置しました。
ワーキンググループでは、国として実施すべき各種の防災・減災対策を立案し、施策を推進していくため、日本海溝・千島海溝沿いの最大クラスの地震・津波による人的・物的・経済的被害の想定や、被害軽減のための防災対策の検討を進めています。特に、冬季に地震が発生した場合は、積雪寒冷地特有の被害が想定されるため、これも考慮に入れ、検討が進められています。

風水害対策

日本は、台風や前線活動等の気象条件、急峻な地形や急勾配の河川等の地勢条件、都市の多くが沖積平野に位置し、洪水等のリスクの高い地域に人口が集中しているといった社会条件が相まって、洪水、土砂災害、高潮、風害等による被害が発生しやすい国土となっています。
さらに近年では、わが国の日降水量200mm以上の大雨の年間発生日数が増加し、最近30年間(1990~2019年)と統計開始の30年間(1901~1930年)で比較すると約1.7倍となるなど、大雨が頻発化・激甚化しています。そして、今後、気候変動の影響により、気象災害のリスクは一層高まるおそれがあります。

観測体制

 風水害をもたらす気象現象については、気象庁において、降水量や風速等の自動観測を行う地域気象観測システム(アメダス)や気象レーダー、気象衛星等による観測が行われており、災害に備えるための予報・警報が発表されています。
雨量及び河川の水位については、国土交通省及び都道府県により、目視や器械、さらには遠隔地で自動観測されたデータを無線送信し、観測するテレメータシステムによる観測が行われており、洪水予報や水位情報がインターネットや携帯電話を活用して提供されています。

風水害対策の概要

 風水害被害を軽減するためには、河川・ダムや下水道の整備等のハード対策と、ハザードマップの作成や防災気象情報の提供等のソフト対策を一体的に推進する必要があります。
 洪水や土砂災害に対するソフト対策としては、水防法や土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(土砂災害防止法)に基づき、浸水想定区域や土砂災害警戒区域における警戒避難体制の整備が進められています。
水防法に基づき、洪水予報河川は426河川、水位周知河川は1,666河川が指定されており、現在はそのうち98%の河川の洪水浸水想定区域が指定・公表されています(令和2年1月1日時点)。また、当該区域を含む市町村の98%において、洪水ハザードマップが作成済みとなっている(令和2年7月末時点)ほか、要配慮者利用施設において避難確保に関する計画作成が義務付けられています。
また、2020年6月に都市再生特別措置法等の改正が行われ、頻発・激甚化する自然災害に対応し、安全なまちづくりを推進するため、「災害ハザードエリアにおける新規立地の抑制」や「災害ハザードエリアからの移転の促進」、「災害ハザードエリアを踏まえた防災まちづくりの推進」等の総合的な対策を講じることとなりました。

大規模水害対策

近年の地球温暖化により、台風の激化等が懸念されていることから、今後、大規模広域避難が必要となる大規模水害が発生するおそれが予測されています。また、我が国の三大都市圏には「ゼロメートル地帯」が広く存在しており、堤防の決壊等により大規模水害が発生した場合には、多数の住民が避難することによる大混雑の発生や、逃げ遅れによる多数の孤立者の発生が予想されています。
内閣府では、このような大規模水害に対して、広域避難場所の確保や避難手段の確保・避難誘導についての具体的な検討を進めていましたが、令和元年東日本台風において、鉄道の計画運休や暴風等による避難のタイミング、避難に要する時間の難しさ等、大規模広域避難の課題が顕在化しました。これらの課題に対して、「令和元年台風第19号等を踏まえた避難情報及び広域避難等に関するサブワーキンググループ」で検討を行い、警戒レベルの情報名称といった避難情報等及び広域避難等に関する制度面での対応の方向性について取りまとめを行いました。その結果を踏まえ、災害が発生するおそれがある段階での広域避難に係る協議規定や、運送の要請規定等の措置を行いました。
 しかし、広域避難の実効性確保のためには、平時からの検討や協定の締結等を自治体において進めることが重要であり、政府としても、関係機関と連携し、自治体の取り組みを支援しています。

火山災害対策

日本は、環太平洋火山帯に位置する火山国であり、111の活火山を有し、過去にも噴火等の活発な火山現象により、時として甚大な被害を受けてきました。近年では、平成26年の御嶽山の噴火により、58人の方が亡くなりました。
火山の噴火等により発生する現象は様々で、特に噴火発生後から避難までの時間的余裕がほとんどなく、生命に対する危険性が高い現象(大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流)は、防災対策上重要度が高いものとして位置付けられます。火山災害から住民等の生命を守る上で、噴火の前兆現象を捉えた的確な情報発表と、情報を受けて住民等を迅速に避難させる広域的な連携体制が重要です。
 気象庁により、50火山(学識経験者や関係機関で構成される火山噴火予知連絡会において選定)の火山活動については、地震計、傾斜計、空振計、GNSS 観測装置及び監視カメラ等を用いた24時間の観測・監視体制が取られています(常時観測火山)。

噴火警報と噴火警戒レベル

全国111の火山について、居住地域や火口周辺に影響が及ぶ噴火の発生が予想された場合には、気象庁より噴火警報が発表されます。常時観測火山のうち48火山(令和2年3月現在)については、火口から居住地域までの距離等を考慮して、火山活動の活動状況に応じた「警戒が必要な範囲」と、「避難」・「避難準備」・「入山規制」等の「とるべき防災対応」との関係を明確化して5段階に区分した「噴火
警戒レベル」が設定されています。

雪害対策

 我が国は急峻な山脈からなる弧状列島であり、冬季にはシベリア方面から冷たい季節風が吹き、日本海には南からの暖流があるため、日本海側で多量の降雪・積雪がもたらされます。そのため、屋根
の雪下ろし中の転落、雪崩災害のほか、降積雪による都市機能の阻害、交通の障害といった雪害が毎年発生しています。
近年においては、平成26年豪雪の影響により、関東甲信越地方を中心とした各地で、車両の立ち往生等による道路の通行止めや鉄道の運休が相次ぎ、最大で約6,000世帯が孤立したほか、平成30年豪雪の影響により、福井県や新潟県を中心とした各地で、住家やライフラインの被害、交通障害等が発生し、死者116名、重傷者624名に及ぶ甚大な被害が発生しました。また、令和2年12月から令和3年1月にかけて発生した大雪の影響により、新潟県や群馬県の高速自動車道で2,000台を超える大規模な立ち往生が発生するなどの交通障害や、除雪作業中の事故等による死者が相次ぐなど、多くの被害が発生しました。

雪害対策の概要

豪雪時には、人身事故の防止、雪崩警戒体制の強化、道路交通確保のための除雪等の対策が講じられます。雪崩については、集落を保全対象とした雪崩対策事業の推進、危険箇所の住民への周知徹底、警戒避難体制の強化等の総合的な対策が実施されています。
豪雪地帯対策特別措置法に基づき、国土の約半分を占める「豪雪地帯」において、交通・通信の確保、農林業対策、生活環境施設や国土保全施設の整備等の対策が講じられています。近年の災害傾向を踏まえ、除雪中の事故防止対策や暴風雪への対処方法に関して、市町村を中心とした関係団体・機関等を通じて普及啓発を行っています。
 また、降雪による被災経験が少ない市町村の職員であっても、迅速かつ的確な災害対応が実施できるよう、これまでに国等から公表・周知された災害対応に関するガイドライン等を整理し、平成31年1月に「市町村のための降雪対応の手引き」を作成しました。